草刈りの手が回らない畑には、猪が作るけもの道や掘り起こした跡、柵を持ち上げた場所などがいろいろ見受けられた。ようやくざっと草刈りしたのち、どこから侵入してどこから抜けていったのだろうと目途をつけ、ありあわせのもので柵の手直しをする。おざなりになった畑の植え付け作業は全く進めていない。ゴーヤやオクラなどを植えている畑は、涼しくなってからか、また花が咲いて実がまた生りだしている。周りの米はそろそろ収穫のころで色づいてきている。農家の人はきれいに草刈りをされている。こちらとは大違いだ。用水路の水も止まり、そこには野生のテンが顔を覗かせ目が合った。そそくさと溝の中に隠れた。さて、お互いの食べ物を巡って攻防が始まる。